Nastran In-CADの魅力に迫る!
全5回連載のいよいよ第5回目、つまり最終回です!
最終回のテーマは「設計者がやりたい解析 Top 3 その3 応答」です。
さて、応答解析とは何でしょう? 例えば自動車にとってのエンジン、または機械装置にとってのモーターなど振動体がある場合、ある回転数で回っているときの各部の振動の大きさを求める場合には、周波数応答解析というものを用います。
これに対して地震のときの建物の揺れのような、時間的に変化する挙動を知りたい場合は、過渡応答解析というものを用います。
Nastran In-CADは固有値解析とともに、周波数応答解析と過渡応答解析を行うことが可能です。今回はNastran In-CADを用いて設計時に周波数応答解析を行うことで、近い将来起こりうる問題に対してどのように事前検討できるのかを詳しくご紹介します。
1.振動問題についてもう少し詳しく!
皆さん、声を用いてガラス製のコップを割るという実験をご覧になられた方もいらっしゃるのではないでしょうか? これは「共振」という現象が起因しています。その物体固有の一番変形しやすい振動ポイントのことです。
人の声、つまり振動が引き金となって様々な問題を引き起こします。自動車などでエンジンの回転数を急激に上げたときの騒音、電車が走行しているときの床の振動などがあります。振動は構造物を徐々に弱体化させたり、金属を劣化(疲労)させたり要因となります。
設計者は振動をゼロにすることはできませんが、機械や装置が運転中に共振が起こらないように設計をすることが必要です。
2.Nastran In-CADでどうやって解析をするの?
Nastran In-CADでは周波数応答解析、過渡応答解析を行うにあたり、直接基礎方程式を解く直接法と固有値解析の結果を利用するモード法の両方を選択できます。
またランダム応答解析も行えますので、地震、航空機とか建築物内の圧力変化や自動車のエンジンの騒音やスピーカーの影響など、これら統計的特性をもつ振動の影響を解析することも可能です。
一連の操作や問題解決のための改善方法をムービーにしました。
ご覧いただいたように、設計者は日ごろ使い慣れたCADの中で、試作品を製作することなく応答に関わるさまざまな問題をいち早く検証および検討することができるようになります。
これにより、解析結果を踏まえて共振をふせぐ形状を設計することができます。さらに構造物の振動制御の最適化を進めることにより、より簡単に共振による悪影響が取り除かれた、安全で高品質な設計が可能となります。
この結果、図面修正にかかる無駄な工数を削減でき、より短納期対応することができるようになるのです。
事前に品質を作りこんだ設計ができるのは設計者にとって心強いですよね!
なお、この連載は今回で終了です。これまでご購読いただきありがとうございました。これまで配信した内容をご覧になりたい場合は、In The Machine ブログ左側のカテゴリから「02_シミュレーション」を選択していただくと、一覧で確認いただくことができます。
今回の連載を機に、解析に興味を持っていただけたら幸いです。
これまでご購読いただき、ありがとうございました。
最近のコメント