大好評!全5回連載の第3回目となります。
今回のテーマは「設計者がやりたい解析 Top 3 その1 熱応力」についてです。
前回のブログでご紹介しましたが、最近「熱解析をやりたい」という設計者が増えてきています。
理由として製品の小型化、高密度化が進むにつれて、十分に熱を逃がすスペースがなかったり、薄肉化の影響で予測以上に熱が伝わってしまったりして、予期せぬ故障や、変形などの不具合が発生しているということが考えられます。
今回はNastran In-CADを用いて設計時に熱問題に対してどのように事前検討できるのかを詳しくご紹介します。
1.熱の伝わり方って?
熱の伝わり方には大きく分けると「伝導」、「対流」、「ふく射」と3つに分かれます。
身近な例で挙げますと、
・伝導:冬場、湯たんぽはとても温まりますよね
・対流:お風呂がいい例です。温まった水が上に上がってくるのが分かりますよね
・ふく射:ぽかぽか太陽ですね。遠赤外線ヒーターも同様です。電磁波が影響しています。
このように「熱」といっても様々な伝わり方があります。今回はもっともポピュラーな熱伝導の問題にアプローチしてみます。
2.Nastran In-CADでどうやって解析するの?
Nastran In-CADは熱源からの伝導を計算する「熱伝導解析」や、この解析結果をもとに熱膨張や熱収縮による変形を計算する「熱応力解析」を簡単に行うことができます。
一連の操作や問題解決のための改善方法をムービーにしました。
URL;https://youtu.be/E0AXpl85HXk
このように、設計者は日ごろ使い慣れたCADの中で、熱に関わるさまざまな問題を簡単に事前検討することができます。
そして、解析結果を踏まえて対策を施した形状、機構を図面に落とし込むことができます。
これにより、後工程で起こりうる不具合を回避し、図面への修正作業を減らせるので、修正にかかる無駄な工数を減らし、より高品質な製品をより速く世に送り出すができることをご理解いただけると思います。
なんだか仕事が楽しくなりそうですね。
さて次回は「座屈」に関するご紹介です。熱問題と並んで設計者を悩ませる現象ですね。
それでは次回をお楽しみに!
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