Nastran In-CADの魅力に迫る!全5回連載の第4回目となります。
今回のテーマは「設計者がやりたい解析 Top 3 その2 座屈」です。
最近、製品の小型化や軽量化が進んでいます。
しかし薄すぎる鋼板や細長い鉄棒は、引っ張った時にはその材料の強度まで耐えられますが、圧縮すると本来の強度よりもはるかに小さい力で折れ曲がってしまいます。
この現象を座屈といいます。
今回はNastran In-CADを用いて設計時に座屈問題に対してどのように事前検討できるのかを詳しくご紹介します。
1.座屈現象についてもう少し詳しく!
350mlのアルミ缶の上に乗ってみてください。おそらくゆっくり乗ればうまくアルミ缶の上に立てると思います。しかしアルミ缶の側面を軽く押してみると、アルミ缶はグシャ!と潰れてしまうことでしょう。
このようにとても小さい力でも折れ曲がってしまう現象を座屈といい、製品設計に携わる多くの人たちの頭を日々悩ませているのです。
2.Nastran In-CADでどうやって解析するの?
Nastran In-CADでは座屈が起きるまでの弾性安定性状態である「線形座屈解析」と、座屈現象そのものを再現する「非線形座屈解析」の両方を選べますので、その時に必要な情報に応じて解析の種類を選ぶことができます。
一連の操作や問題解決のための改善方法をムービーにしました。
ご覧いただいたように設計者は日ごろ使い慣れたCADの中で、座屈に関わるさまざまな問題をいち早く検討することができるようになります。
したがって、解析結果を踏まえて過剰設計にならないように座屈を防ぐことができる形状を決定したり、肉厚や材料の最適化などを実際に製作することなく検証できるので、早い段階から適切な対策を施した設計を行うことができます。
この結果、図面修正にかかる無駄な工数を削減でき、より短納期対応することができるようになるのです。
図面1枚にかかる工数が少なくなれば、新しい仕事にもどんどん取り組めますね!
次回ですがいよいよ最終回、「応答」に関するご紹介です。形状が複雑化すると共振を把握が難しくなります。応答問題にNastran In-CADがどのように対応をできるのかをご紹介します。 それではお楽しみに!
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